相続における財産の法律的な承継形態

法律的な意味での厳密な「相続」とは、特定の被相続人の死亡を原因として、被相続人から相続人に財産が移転することです。

この法律的な「相続」の継承の形態には、包括承継主義と清算主義という二種の考え方があります。

 

「包括承継主義 」とは、相続原因の発生と同時に、被相続人と利害を有する者との間で何らの清算手続を経ずに、被相続人の財産が包括的に相続人に移転される形態です。

この制度では、被相続人の財産は債務も含めて一切が承継されるため、債務の相続を回避するためには別の手続きが必要になります。これには相続放棄、限定承認があります。

日本、ドイツなどで採用されている形態です。

限定承認の制度が採用されている場合は、所定の手続を経れば清算主義に近い形態になります。

 

「清算主義 」では、相続原因が発生した場合、相続財産は直ちに被相続人に承継されず、一度は死者の人格代表者に帰属させ管理させることになります。

そして、この者が被相続人の利害関係人との間で財産関係の清算をし、その結果プラスの財産が残る場合はそれを相続人が承継します。

英米で採用されているのはこの考え方です。

包括承継主義と異なり、建前上は相続人が被相続人の債務を承継することはありません。もっとも、相続財産が小額の場合は費用倒れになること、多額の場合でも清算手続を経ない方が経済的に望ましい場合もあるため、現実には清算手続を経ずに債務も含めてそのまま相続人が財産を承継する、現実的な方法が採用されることもあるようです。